一度一緒に会社をつくり、売却まで経験したチームが、なぜもう一度一緒に創業したのか。 本人が書いた記事と公開情報で確認できる範囲で追います。
スマートバンクの共同創業者は誰か
株式会社スマートバンクの会社概要では、代表者は堀井翔太氏で、CEO が堀井翔太氏、CTO が堀井雄太氏、CXO が takejune 氏です。 報道では、フリル(現・楽天ラクマ)を生み出したこの3人が共同創業したと紹介されています。 堀井翔太氏本人の記事によると、堀井雄太氏は双子の兄で、エンジニアです。takejune 氏はデザイナーです。
フリルからスマートバンクまでの時系列
( )内は出典です。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2016年9月 | 楽天が、フリル(2012年7月開始)を運営する株式会社 Fablic の全株式を取得し、 完全子会社にしたと発表。当時の代表取締役CEO は堀井翔太氏(楽天の発表) |
| その後 | 堀井翔太氏がフリル(ラクマ)から退任。退任後の約1か月は、何もしない日々を過ごす (堀井翔太氏本人。退任の時期は記載なし) |
| 2019年4月 | 株式会社スマートバンクを設立(スマートバンク公式) |
| 2021年1月 | 家計簿プリカ「B/43」をリリース(堀井翔太氏本人・THE BRIDGE) |
| 2025年3月 | B/43 の名称を「ワンバンク」に変更(スマートバンク公式ニュース) |
B/43 の提供開始を2021年4月とする記事もあります。
本人は、もう一度組んだ理由をどう書いているか
堀井翔太氏は、2021年4月に公開した自身の note の記事で、2度目の起業について書いています。
もう一度起業した理由
退任後の1か月ほどについて、本人は、プレッシャーのない日々に張り合いがなく、 「いち早くカムバックしないとという強い飢餓感が勝るようになりました」と書いています。 同じ記事では、最初に生まれたフリマアプリはフリルだったが、最も世界を変えたのはメルカリだった、 という悔しさにも触れています。
一緒に起業した2人について
本人は、新卒の同期でフリルの共同創業者でもあるエンジニアの堀井雄太氏(双子の兄)と、 デザイナーの takejune 氏の3人で起業したと書いています。そのうえで2人とは 「もはや10年以上一緒に仕事をしています」とし、「泥臭さを背中で体現するエンジニア」 「創るだけでなくビジネスまでコミットするデザイナー」として、「阿吽の呼吸で仕事ができ」る最高のパートナーだと述べています。
本人が書いているのは、2人の役割に加えて、長く一緒に仕事をしてきたことと、その中で分かっている仕事の進め方です。この記事では、 本人が書いていない理由(相性や信頼関係など)は足しません。
ここまでが、本人の記事と公開情報で確認できる事実です。ここから先は、この事例を読んだ CoPath としての考えです。 同じメンバーで組めばうまくいく、という主張ではありません。スマートバンクの3人は 売却まで進んだチームであり、うまくいかずに解散したチームの話はこうした記事に残りにくい点にも注意が要ります。
この事例から考えられること
本人は、2人の役割に加えて、10年以上一緒に仕事をしてきたことと「阿吽の呼吸」を挙げていました。 これは、過去に一緒に何かをした経験そのものが、相手を選ぶときの重要な情報になり得ることを示す一例です。
- 一緒に仕事をしたことがある相手なら、締め切りが迫ったときや意見が割れたときに 相手がどう動くかを、すでに知っている可能性が高いです。
- 以前の同僚や、一緒に何かを作ったことのある知人は、 共同創業の候補として考えてみる価値があります。
- そうした相手がいない場合は、会社をつくる前に短い期間だけ一緒に作業してみることで、 小さな「一緒にやった経験」をつくることができます。進め方は 共同創業を決める前に小さく一緒に試す方法 にまとめています。
出会ってから数年かけて共同創業に至った例は CADDi の2人の記事、初めて会う相手に最初に聞くことは 初回面談で確認したいこと にまとめています。
一緒に試せる相手を探すなら
以前一緒に働いた人の中に、共同創業の相手がいるとは限りません。 新しく出会った相手とも、小さく一緒に試すところから始められます。 CoPath は日本語の共同創業者マッチングで、プロフィールや募集ボードから相手を探せます。
※ 本文の経緯・肩書き・発言は、本人の記事と公開情報に基づく概要です。各出典もあわせてご確認ください。 記事中の「この事例から考えられること」は CoPath 編集部の考えであり、スマートバンクや当事者の見解ではありません。
参考文献・出典
- 堀井翔太氏の note(2021年4月26日) — 退任後の気持ちと2度目の起業の理由、3人で起業したこと、堀井雄太氏が双子の兄であること、B/43 を「今年の1月」にリリースしたこと
- 楽天株式会社 プレスリリース(2016年9月5日) — Fablic の全株式取得と完全子会社化、当時の代表取締役CEO、フリルの2012年7月のサービス開始
- 株式会社スマートバンク:会社概要 — 2019年4月の設立、代表者、CEO・CTO・CXO
- 株式会社スマートバンク ニュース(2025年3月24日) — 家計管理サービス「B/43」の名称を「ワンバンク」に変更
- THE BRIDGE(2021年7月15日) — フリルを生み出した3人による共同創業、B/43 を2021年1月に公開、2016年の楽天への売却
- Business Insider Japan(松本和大、2024年11月13日) — 3人が Fablic の創業メンバーであること、2019年のスマートバンク設立