SmartNews は誰が、どのように創業したのか。共同創業者は鈴木健氏と浜本階生氏です。2人の出会いと役割を追うと、 共同創業者を考えるうえで興味深い経緯が見えてきます。
SmartNews の共同創業者は誰なのか
SmartNews は鈴木健(すずき けん)と浜本階生(はまもと かいせい)の2人による共同創業です。会社は2012年6月に設立されました(設立当初の社名は「ゴクロ」で、のちに スマートニュース株式会社へ)。ミッションは「世界中の良質な情報を、必要な人に送り届ける」です。
- 鈴木健:東京大学大学院で博士号を取得。IPA(情報処理推進機構)の 「天才プログラマー」に認定された経歴を持ち、著書『なめらかな社会とその敵』でも知られます。
- 浜本階生:1981年生まれ、東京工業大学卒。エンジニアとして、 SmartNews の原型となる技術を自ら開発した人物です。
創業から長く2人は共同CEO体制を取り、2023年に鈴木が会長、浜本がCEOという 新体制へ移行しています。
2人はどう出会ったのか — 始まりは「メンターと相談者」
SmartNews 公式の記述によれば、2人が出会ったのは2009年、共通の知人を介してでした。 きっかけは、浜本が開発した「Blogopolis(ブロゴポリス)」という ブログを可視化するサービスがYahoo! JAPAN のコンテストで受賞し、 それに鈴木が興味を持ったことです。当初は対等な共同創業者ではなく、鈴木が浜本にアドバイスをする、メンターのような立場から関係が始まりました。
いつ、何を一緒に始めたのか — 「Crowsnest」から SmartNews へ
メンター的な関係を経て、2人は2010〜2011年ごろ、 浜本が開発する「Crowsnest(クロウズネスト)」という ニュース収集サービスに一緒に取り組みます。これはのちの SmartNews の原型になったサービスです。 時系列を整理すると、2009年に出会い → 2010〜2011年に Crowsnest で協働 → 2012年に SmartNews を共同創業、という順序になります。
浜本自身は、SmartNews 公式のインタビューで、「自分が面白いと思えるものを追求して作りたい」という思いから、 同じビジョンを持てる鈴木との協働を望むようになった、と語っています。
それぞれ何を担ったのか — 本人が語る「ビジョナリー」と「職人」
浜本は SmartNews 公式で、自身と鈴木の違いをこう表現しています——鈴木は「ビジョナリーで、先のことを見通して動くタイプ」。 一方で浜本自身は「自分の興味先行型」で、「目の前にあるものの作り込みに 集中する職人タイプ」だ、と(浜本本人の発言)。
実際の役職は、鈴木が代表取締役・CEO、浜本が COO 兼チーフエンジニアでした。
意思決定の一場面も、一次情報に残っています。鈴木は対談の中で、 通勤電車での体験——地下鉄では電波が届かず、周りはゲームばかりしている——を きっかけに、「電波がなくても読めるようにしよう」と共同創業者の浜本に提案した、と 語っています。「オフラインでも読める」は、初期の SmartNews を特徴づけた機能のひとつでした。これは2人のやり取りの一例であり、常にこの形だったと断定できるものではありません。
ここまでは「事実」です。出会い・経緯・役職・本人の発言は、SmartNews 側の公式情報と当事者インタビューに基づきます。「この関係だったから成功した」といった因果は、当事者が明言していない以上、 この記事では断定しません。ここから先は、この事例を自分の共同創業者選びに置き換えて考えるための「問い」です。 SmartNews が成功条件として提示したものではありません。
SmartNews の事例を、自分の共同創業者選びに置き換える3つの問い
問い1. 相手は、自分と「異なる強み」を持っているか
SmartNews では、浜本本人が鈴木を「ビジョナリー」、自分を「職人」と表現し、 役職も CEO と COO 兼チーフエンジニアに分かれていました(事実)。 ここから一般法則を断定することはできませんが、共同創業者候補を考えるとき、自分と相手の強みがどこで重なり、どこで補い合うのかを確認する材料にはなります。 自分に足りない役割を持つ人を探すという発想は、共同創業者の探し方・選び方でも整理しています。
問い2. 一緒に仕事をしたときの「進め方」を知っているか
SmartNews では、2009年に出会い、Crowsnest で協働し、その後2012年に共同創業したという時系列が確認できます(事実)。この経緯を自分に置き換えるなら、共同創業者候補と正式に組む前に、「一緒に仕事をした経験があるか」 「相手の仕事の進め方を知っているか」は、考えてみたい問いの一つです。
問い3. 「誰が何を決めるのか」を話せているか
SmartNews では、鈴木が機能を提案し浜本が実装する、という意思決定の一場面が 一次情報に残っています(事実)。ここから、共同創業を考える自分への問いはこうです——誰が何を、どう決めるのかを、相手と話せているか。
なお、これは SmartNews の役割分担とは別の論点ですが、実際に共同創業する段階では、 役割だけでなく株式や、辞めたときの扱い、意思決定のルールも 事前に話しておく必要があります。その考え方は共同創業の契約書で決めるべきことに、役割分担そのものの実例は共同創業の役割分担(実際の事例)にまとめています(いずれも SmartNews がそうしたという意味ではありません)。
自分に足りない役割を、どう考えるか
3つの問いを自分に向けると、次の問いに行き着きます——「自分は描く人なのか、作る人なのか」。自分に足りない役割を整理することは、どんな共同創業者候補を探すかを考える 一つの出発点になります。
- 自分がアイデア・ビジョン先行なら、それを実際に動くものにできる作り手(エンジニア/デザイナー等)を。
- 自分が作り込み・実装先行なら、方向づけ・事業化・対外交渉を担える人を。
「作れる人はいるが事業を描く人がいない」「アイデアはあるが作る人がいない」という悩みの具体例はアイデアはあるがエンジニアがいないときでも扱っています。
自分に足りない役割が見えてきたら。CoPath では、エンジニアリング・マーケティング・営業・デザイン・経営など、相手が提供できる役割から共同創業者候補を探せます。 自分に足りない役割を持つ人がいないか、CoPath で探してみるところから始められます。
まとめ
事実として確認できるのは、①2009年に知人を介して出会った ②はじめは 鈴木が浜本にアドバイスするメンター的な関係だった ③2010〜2011年に Crowsnest で協働した ④2012年に共同創業した ⑤浜本本人が鈴木を「ビジョナリー」、自分を「職人」と表現している ⑥役職は CEO と COO 兼チーフエンジニアに分かれていた、という点です。
この一事例から成功法則を断定することはできません。ただ、自分が共同創業者を選ぶとき、「異なる強みか」「一緒に働いた経験があるか」 「役割と意思決定を話せているか」を考えるきっかけにはできます。 大事なのは有名企業の物語を知ることではなく、それを自分の状況に引き寄せて考えることです。
参考文献・出典
- スマートニュース株式会社 公式ブログ Inside SmartNews「ミッションへの共感を、言語や文化の壁、時差を乗り越える力に」 (企業公式・浜本階生 本人)/確認した事実:2009年の出会い・Blogopolis 受賞・Crowsnest での協働・ 役職・浜本本人による「ビジョナリー/職人」の表現。careers.smartnews.com/ja/blog/2356.html
- PRESIDENT Online「人気ニュースアプリの生みの親【1】対談:スマートニュース会長・共同CEO 鈴木健×田原総一朗」 (鈴木健 本人)/確認した事実:「電波がなくても読めるように」オフライン閲覧を浜本に提案した経緯。president.jp/articles/-/17434
- Forbes JAPAN「日本を救う起業家 BEST10 No.3:スマートニュース株式会社」(Forbes JAPAN)/ 確認した事実:鈴木健・浜本階生が共同創業者であること。forbesjapan.com/articles/detail/1369
- スマートニュース株式会社 公式プレスリリース「取締役会新体制のお知らせ」(企業公式)/ 確認した事実:2023年の会長・CEO 新体制。prtimes.jp(スマートニュース)