「共同創業の契約書って、何を書けばいいの?」——そう検索したあなたは、 たぶんこれから誰かと組む直前か、すでに動き始めて“このままで大丈夫か”が不安なのだと思います。 結論から言うと、契約書の目的は「仲を疑うこと」ではなく「仲が良いうちに、 揉めたときのルールを決めておくこと」です。うまくいっているときほど、 話しにくいことを先に決めておく価値があります。
なぜ「口約束」で始めると危ないのか
創業初期は熱量が高く、「株は半分ずつでいいよね」「役割は自然に決まるでしょ」と、 重要な取り決めを口約束で流しがちです。ところが事業が動き出すと、貢献度の差・方向性のズレ・お金・そして「辞める/辞めさせたい」といった現実が必ず訪れます。そのとき拠り所になる書面が無いと、 感情論と力関係で押し切られ、事業そのものが止まります。
これは他人事ではありません。世界・日本の名だたる事例が、契約の不在や不備で崩れています。 具体的な金額や経緯は、共同創業者と別れて死んだスタートアップ10選や、和解金の話が生々しいSnapchat を救えたであろうたった1枚の紙にまとめています。共通する教訓はひとつ——「創業初日に1枚書いていれば防げた」です。
創業株主間契約書とは — いつ作るか
創業株主間契約書(そうぎょうかぶぬしかんけいやくしょ)とは、共同創業者どうしが、株式・役割・辞めたときの扱いなどを事前に取り決めておく契約です。会社の定款や登記とは別に、創業者“個人”の間で結ぶ点がポイントです。
作るタイミングは「組むと決めた直後、できれば本格稼働の前」が理想です。 まだ何も生まれていない段階なら利害が小さく、フラットに話せます。 すでに走り始めていても遅すぎることはありません。資金調達や人の採用が始まる前に整えておくと、後の交渉がずっと楽になります。
契約書で決めるべきこと(条項チェックリスト)
テンプレートを探す前に、まず「何を決めるのか」を押さえましょう。 最低限、次の7項目は話し合って書面化する価値があります。
1. 株式の配分
誰が何%持つか。均等(50:50 など)にするか、貢献度で傾けるか。 比率そのものの決め方・50:50 のリスクとデッドロックの考え方はスタートアップの株式比率の決め方で詳しく扱っています。ここで重要なのは、「今の貢献」だけでなく「これから数年のコミット」を織り込むことです。
2. ベスティング(辞めても株を持ち逃げさせない仕組み)
創業株の落とし穴は、初期に株を渡した相手が早々に離脱し、 働いていないのに大株主として残ってしまうことです。これを防ぐのがベスティング ——在籍・貢献の期間に応じて、株式が段階的に自分のものになる仕組みです。
スタートアップ実務で広く使われる型として、「4年かけて確定・最初の1年は“クリフ”(1年未満で辞めたら株は確定しない)」という設計がよく知られています。数字は事業や当事者で調整して構いませんが、「時間をかけて確定する」という考え方自体を最初に合意しておくことが肝心です。
3. 退任時の株式の買い取り
誰かが抜けるとき、残った会社がその株を買い戻せるか、いくらで、どうやってを決めておきます。ここが空白だと、離脱した創業者の株が宙に浮き、 次の資金調達や意思決定の足かせになります。
4. 役割・責任・意思決定の方法
誰が何を担うか(CEO/技術/事業など)に加え、意見が割れたときにどう決めるかを決めておきます。 50:50 だと物事が止まる「デッドロック」が起きやすいので、領域ごとの最終決定者を分ける・重要事項だけ特別な合意を要るなど、 止まらない仕組みを用意します。
5. 知的財産(IP)の帰属
コード・デザイン・ドキュメント・アイデアなど、創業者が作った成果物は「会社に帰属する」と明記します。 これが曖昧だと、離脱した人が「あれは自分の作ったものだ」と主張でき、 プロダクトの根幹が争いの火種になります。
6. 競業避止・秘密保持
在籍中および退任後の一定期間、同じ事業での競合行為や情報の持ち出しを制限します。ただし過度に広い制限は無効になり得るため、期間・範囲は常識的な範囲に絞るのが実務的です(ここは専門家の確認推奨)。
7. 脱退・解散の手順
「どうやって別れるか」を、仲が良いうちに決めておく——一見ネガティブですが、 これがあると、いざという時に感情ではなく手順で進められます。 通知の方法、引き継ぎ、株の扱い、対外的な説明までを軽くでも定めておきます。
契約より前に、「相手選び」で防げることも多い
契約書は強力な保険ですが、そもそも相性の悪い相手と組めば、 どんな契約でも守り切れません。ビジョンは近く、スキルは補完的で、 難所での振る舞いを事前に見ておく——この“見極め”が土台です。 探し方・選び方・見極め方は共同創業者の探し方・選び方にまとめています。「小さく一緒にやってみる」お試し期間を経てから 本格的に組み、その合意を契約に落とす——この順番が安全です。
進め方 — テンプレより先に「対話」
- ①話す:上の7項目を、二人(三人)で率直に話す。 気まずい論点ほど、うまくいっている今のうちに。
- ②書く:合意した内容を箇条書きでよいので文章化する。 「言った・言わない」を無くすことが目的です。
- ③専門家に見てもらう:ベスティング・買い取り・競業避止など 法的に詰めが要る部分は、弁護士など専門家のレビューを受けて仕上げます。
テンプレートはあくまで叩き台です。大事なのは中身の合意であって、 書式ではありません。
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CoPath は、日本語ファーストの共同創業者マッチングです。契約で守るべき関係の“前段”——ビジョンが近く、スキルを補完でき、腰を据えて話せる相手と出会うところを 支えます。匿名のまま複数の候補と話し、「この人となら、上の7項目をちゃんと決められる」と思える相棒を見つけてください。 いまは全機能が無料です。
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